主催: 日本地球化学会年会要旨集
大気中に浮遊する微生物あるいは生物由来の有機物を含む粒子(バイオエアロゾル)は公衆衛生や生態系に影響を及ぼすだけでなく、その一部は雲の生成を通じて気候の調節とも密接な関わりを持つと考えられている。しかし、バイオエアロゾルの粒径分布、濃度、混合状態、種組成など、依然としてその大気中での挙動には不明な点が多い。?BR?本研究ではとりわけ黄砂の飛来時にみられるバイオエアロゾルの性状変化に焦点をあて、能登スーパーサイトを拠点とした直接サンプリングや粒子の蛍光を利用した粒径分布測定などを行ってきた。発表ではUV-APSにより2011年春季の黄砂飛来時における蛍光粒子(微生物粒子のプロキシ)の粒径分布を計測した結果のほか、実際に黄砂発生源近傍で採集された鉱物粒子表面にバクテリアが付着していたことを示唆する観察結果や、黄砂飛来時における大気中微生物について、分離培養やDNA配列解析を行った結果も報告したい。