主催: 日本地球化学会年会要旨集
ヘリウムによる地下水年代測定を行う上での課題は,帯水層へのヘリウムの蓄積速度が帯水層ごとに異なることにある.地下水中へのヘリウムの蓄積は,帯水層岩石中のU・Th系列核種のα壊変により生成される?SUP?4?/SUP?Heに加えて,深部からのヘリウムフラックス量の見積もりが必要とされる.大阪平野浅層から深層にいたる地下水を対象にヘリウム濃度・同位体の分布を把握した結果,堆積盆地最下部の温泉帯水層には深部から上昇したヘリウムが蓄積されていると思われるのに対し,上部の帯水層に賦存する大多数の地下水には帯水層起源のヘリウムのみ蓄積されていることがわかった.