日本地球化学会年会要旨集
2012年度日本地球化学会第59回年会講演要旨集
セッションID: 2P08
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G2 古気候・古環境解析の地球化学
流星海山におけるマンガンクラストの古海洋環境記録としての可能性
*西 圭介臼井 朗松崎 浩之佐藤 久晃坂口 綾井上 美南
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抄録

マンガンクラスト(以下クラスト)は海底の露岩を被覆する平板状の形態を示す鉄・マンガン酸化物を主成分とする化学堆積岩である.多くの有用金属元素(Co,Ni,Pt,REEなど)を副成分として含有するため,将来資源として期待されている.また,海水を通じて,100万年に数mm程度の非常に遅い速度で成長するため,長期の環境記録としての可能性が指摘されている.世界の全海洋に分布し,北西太平洋の海山にも広く分布することが知られている(臼井他,1995).しかし,詳細な分布,産状,組成変動はあまり明らかにされておらず,その成長環境との対応などに関する研究は少ない.本研究では九州パラオ海嶺中央部に位置する流星海山での調査(KY11-02航海)で採取された試料の肉眼観察,顕微鏡観察,鉱物分析,ICP分光分析(カナダ地質調査所委託),10年代測定(広島大学,坂口・井上;東京大学,松崎)をもとに,クラストを堆積物コアに見立て,古海洋環境記録としての有効性を検証する.

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© 2012 日本地球化学会
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