高レベル放射性廃棄物の地層処分の安全評価において,地下水中の様々な金属元素の挙動に関わる物理化学パラメータであるpHや酸化還元電位(Eh)を把握することが重要である。しかしながら,地下水の物理化学パラメータの測定では,地下水が被圧・嫌気状態で存在するため,試料採取や分析,測定の過程における圧力開放や大気暴露による地下水の状態の変化に伴う測定誤差が生じる。そのため,品質管理を含めた測定手法を体系的に取りまとめる必要がある。本研究では,日本原子力研究開発機構が岐阜県瑞浪市で建設中の瑞浪超深地層研究所の研究坑道において,pHとEhに加え,酸化還元環境の指標となる溶存酸素濃度(DO)について,複数の条件下で測定を行い,各測定方法における測定誤差の傾向に関する知見を得たので報告する。