日本地球化学会年会要旨集
2009年度日本地球化学会第56回年会講演要旨集
セッションID: 3C13 03-09
会議情報
マントル物質の化学とダイナミクス
レールゾライト中のガラス包有物に伴う白金族鉱物:メルトで運ばれた白金族元素?
*小木曽 哲鈴木 勝彦鈴木 敏弘上杉 健太朗小林 記之
著者情報
会議録・要旨集 フリー

詳細
抄録

白金族元素は、マントルの化学進化を議論する上で有用な元素である。しかし、白金族元素のマントル中での地球化学的挙動には不明な点が多いため、白金族元素を用いたマントルの化学進化の議論には、常にあいまいさが伴ってきた。我々は、放射光を用いたマイクロXRF分析により、タヒチ島のレールゾライト捕獲岩から、ガラス包有物中に含まれるIr-Pt含有硫化鉱物を発見した。また、ガラス包有物のレーザーラマン分光分析では、ガラス部分からH2O・CO2は検出されなかった。これらの結果は、白金族元素が、硫黄を含むケイ酸塩メルトによって運ばれたことを示している。つまり、マントル中での白金族元素の挙動には、ケイ酸塩メルトが重要な役割を果たしている可能性がある。

著者関連情報
© 2009 日本地球化学会
前の記事 次の記事
feedback
Top