リンは植物の成長に必須な元素である。今回、アーバスキュラー菌根菌(以下AM菌と記載)とミミズを用いて、土壌に天然に存在するリンを植物に対して高効率に供給することができないかと考えた。本研究では、第一段階として、AM菌とミミズの相乗効果の可能性について調べた。実験は、アルファアルファ、AM菌、ミミズを用いたポット試験を行なった。以下では、これらをそれぞれ、α、AM、EWと表記する。実験の結果、AM菌共存系において約30%のAM菌の感染が確認され、根のリン濃度の増加も確認された。一方で、シュート乾燥重量は、αのみ、α+AM、α+EW、α+AM+EWの順で増加した。また、シュート中のリン濃度はAM菌とミミズの共存系が最も高い値を示した。以上より、AM菌とミミズの共存系は、AM菌単独およびミミズ単独よりも植物の生育促進効果があり、植物への土壌中可給態リン供給に関する相乗効果があることが示唆された。