サンゴ骨格の昼夜での骨格形成パターンに関する知見は,光量がサンゴ骨格の形成に与える影響など,サンゴの石灰化メカニズムを議論するために重要である.本研究では,サンゴ骨格に自然に取り込まれカルシウムと化学的な挙動が似ているストロンチウム(Sr)を用いて,サンゴ骨格(Porites sp.)に高時間解像度で標識が可能かどうか,昼夜で骨格形成パターンに違いが見られるかを検証した.その結果,他の種で報告されているような昼夜での骨格形成パターンの違いは見られず,Poritesは昼夜で骨格成長部位を変えることなく,連続して成長していることが示唆された.