日本地球化学会年会要旨集
2008年度日本地球化学会第55回年会講演要旨集
セッションID: 2F08 16-08
会議情報
大気水圏とそれらの相互作用、気候変動
北太平洋西部における海洋表層炭酸系の変化傾向
*緑川 貴石井 雅男斉藤 秀時枝 隆之笹野 大輔中舘 明吉川 久幸
著者情報
会議録・要旨集 フリー

詳細
抄録

気象研究所および気象庁による海洋CO‹SUB›2‹/SUB›観測データに基づいて、北太平洋西部亜熱帯から赤道域における海洋表層炭酸系の長期的な変化傾向について解析した結果を報告する。海面水温に長期的な変化傾向は見られないが、大気中CO‹SUB›2‹/SUB›濃度の増加 (1.65 ± 0.05 μatm yr‹SUP›-1‹/SUP›) に追随して、海水中CO2分圧が長期的に増加している。25年間の年平均増加率は、1.4 ± 0.2 ~ 1.8 ± 0.2 μatm yr‹SUP›-1‹/SUP› で、緯度による違いは小さい。全炭酸濃度の高精度観測は1990年代半ばから実施しているが、1.1 ± 0.4 ~ 2.1 ± 0.6 μmol kg‹SUP›-1‹/SUP› yr‹SUP›-1‹/SUP› の長期的な増加傾向が見られた。これらの観測データから、大気からの人為起源CO‹SUB›2‹/SUB›の吸収によって、海洋表層の炭酸系がどのように変わってきたか議論する。

著者関連情報
© 2008 日本地球化学会
前の記事 次の記事
feedback
Top