日本地球化学会年会要旨集
2008年度日本地球化学会第55回年会講演要旨集
セッションID: 2F05 16-05
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大気水圏とそれらの相互作用、気候変動
北西部北太平洋における海水中のジメチルサルファイドの鉛直分布の解明に関する研究
*本間 則仁渡辺 豊坂本 愛
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抄録

海洋の植物プランクトン起源の硫化ジメチル(dimethylsulfide:(CH3)2S、DMS)は、大気に放出される硫黄酸化物の主な供給源となり、アルベドに影響をあたえる。これまでにDMSの鉛直分布のアルゴリズム化について議論したものはまだなく、DMSの鉛直分布を解明することができれば、海洋表面のDMSの分布をより詳細に把握することができる。そこで本研究ではDMSの鉛直分布をアルゴリズム化することを目的とした。北西部北太平洋Aラインにおいて2003年7月から2008年5月までの計10回の航海で得られたDMSと海洋学的データを用い、さらに光照射度の鉛直分布を考慮にいれて、その鉛直構造の復元を試みた。得られたアルゴリズムからは予測されるDMSの濃度の約57%を説明することができたが、その他のパラメーター、たとえば動物プランクトンの存在などを考慮する必要があるのかも知れない。

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© 2008 日本地球化学会
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