島根県中部の三瓶山南麓の三瓶温泉では、Fe2+を0.9-6.9ppm, Mn2+を1.1-1.6ppm溶存している最高39.0℃の温泉が湧出しており、温泉湧出口付近では鉄沈殿物(Fe=68.9-79.4%)とマンガン沈殿物(Mn=71.3-79.2%)が分布している。この温泉湧出口から東に20-100m離れた崖沿いの数十箇所からは鉱泉水はMn2+を最大0.6ppm溶存している(Fe2+は検出限界以下)11.8-20.1℃の鉱泉が湧出しており、鉱泉が流れる岩肌にマンガン沈殿物(Mn=0.48-80.9%)が分布しているのが認められる。本研究では、これらの沈殿物、温泉水、鉱泉水の詳細な化学分析結果を報告し、沈殿物の熱力学的および微生物学的生成過程を考察する。