硫酸ナトリウム水溶液と予めREEを添加した塩化バリウム水溶液をある温度条件(10、25、40、60℃)で反応させて硫酸バリウムの沈殿を作り、硫酸バリウムと水溶液間における希土類元素の分配係数Kdを求めた。10から60℃の温度条件でのlog KdはLREEとHREEで異なる系列変化を示す。分配係数の温度変化を見ると、LREEでは温度が低いほど分配係数も小さくなる傾向がある。LREE3+(aq)の配位状態をHREE3+(aq)の8配位と同じであるように分配係数を補正すると、10℃から60℃の全ての分配係数が実験誤差の範囲内に収束する。これは、REE3+(aq)の配位状態の変化によるものだと分かった。従って、硫酸バリウム結晶中の希土類元素の配位状態は10℃から60℃の間ではほとんど変化していないことが示唆される。