縞状鉄鉱床は先カンブリア期の主に30-20億年前に生成した鉱床であり、地球上最も古い堆積岩の一つと考えられている。縞状鉄鉱床の生成機構を考察する上で酸化還元環境に関する情報が重要であり、地球の大気進化を記録した試料として興味が持たれている。本研究ではカナダのテマガミ産アルゴマタイプ縞状鉄鉱床試料についてSEM、XRDなどの分析結果から鉱物組成の異なる3種類の相に分類した。分類した相の各鉱物相について、二次イオン質量分析法を用いて、希土類元素、18O/16O比の分析を行った。また各相について化学分析による希土類元素分析を行った。これら分析から、各相について特徴的な結果が得られ、テマガミ産縞状鉄鉱床生成時の酸化還元環境、生成温度についての考察を行った。