主催: 公益社団法人日本セラミックス協会
BiFeO3(BFO)は高いキュリー温度と大きな自発分極を併せ持つことから、PZTに替わる非鉛強誘電体として注目されている<。菱面体晶BFO(R3c)は、正方晶(P4mm)ペロブスカイトとの固溶により形成されるモルフォトロピック相境界(MPB)組成付近において優れた圧電性を示すことが期待される。本研究では、正方晶系材料として(Bi0.5K0.5)TiO3(BKT)を選択し、BKT-BFO固溶体セラミックスを評価対象とした。一般に、BKTはKの潮解性や高い蒸気圧のため、またBFOはFeの価数不安定性のために、これらの単相かつ高密度セラミックスを得るのは容易ではない。ここでは、Flash Creation Method(FCM) により作製したナノパウダーを用いることで、高密度BKT-BFOセラミックスが空気中での本焼成により得られること、および高温においても優れた圧電特性を示すことを報告する。