主催: 公益社団法人日本セラミックス協会
近年、絶縁体である窒化ケイ素セラミックスにカーボンナノチューブ(CNT)を分散させ、導電性を付与する研究が着目されている。しかし、CNTは高温で分解するため、焼結過程において緻密化を阻害する問題がある。そこで本研究では、より低温での緻密化を狙い、Si3N4-Y2O3-Al2O3-AlN- HfO2- TiO2系のCNT分散Si3N4セラミックスを作製し、その微構造と機械的・電気的特性との相関について検討した。 柱状粒子の形状と寸法はCNT添加量に依存して変化した。粒子の粒成長は粒子からの核生成と結晶成長を考慮する必要があるが、CNT添加により両者が抑制された結果であると推測した。これに依存して、破壊靭性やビッカース硬さがCNT添加量により変化することも確認された。