低コストのアスベスト処理技術の確立が求められており、CaとClとを含む融剤を用い700℃程度の低温加熱によるクリソタイル分解が知られている。今回はクリソタイルの低温分解に係わるCl添加量の影響及び無害化の評価方法について検討した。CaCO3及びCaCl2試薬による低温分解(800℃)での有効な添加量範囲を把握、CaO存在下でCaCl2の増加に伴い繊維状粒子数が減少して無害化が進行することを確認した。JIS A1481は無害化判定として十分でなく、結晶構造解析による鉱物同定と共に、繊維状粒子に着目することで非繊維化まで含めた無害化の評価が有効と考えた。