主催: 公益社団法人日本セラミックス協会
スラリー(懸濁液)の内部構造は、成形体および焼結体の構造を支配し極めて重要である。しかしこれまで濃厚系スラリーの内部構造の評価は殆ど行なわれていない。我々は透光性のあるスラリーを調製し、これを顕微鏡で直接観察することによってスラリーの内部構造を明らかにする研究を行なっている。 スラリー中の気泡は凝集体や粗大粒子と同様に欠陥の原因となると考えられる。これまで真空脱泡後のアルミナスラリーには、微小な気泡が存在することが密度測定から示されている。本研究では、数種の系で透光性スラリー作製し、それを用いて気泡の実体の評価を試みた。透光性スラリーは、原料粉体と媒体の屈折率を等しくすることで調製される。これを共焦点レーザー蛍光顕微鏡で観察することにより、スラリー内部の3次元観察を可能とした。