日本セラミックス協会 年会・秋季シンポジウム 講演予稿集
2008年年会講演予稿集
セッションID: 2P009
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溶液プロセスによるセリア粒子の形態制御および特性評価
*南舘 正宙殷 シュウ佐藤 次雄
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抄録

【緒言】 セリア(CeO2)粒子は高温での高い安定性、高硬度、酸素吸蔵能、特異なUV吸収特性を持ち関心が集まっている。本研究では、溶液プロセスによりCeO2粒子の形態制御を行い、得られた粒子の特性評価を行った。 【実験方法】 Ce源として、Ce(NO3)3・6H2O、CeCl3・7H2O、Ce(SO4)2・4H2Oを用い、沈殿剤として尿素、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、ヘキサメチレンテトラミンを用いた。Ce/沈殿剤混合水溶液を調製し一定温度(0、25、50℃)でagingを行った。Agingを行った後、瓶に入れ密封し所定温度(70、90、110、130、150℃)に昇温し、2 h反応を行い、反応後、冷却し吸引濾過により沈殿物を回収した。回収した沈殿物を400℃で1 h焼成し、得られた試料について、走査型電子顕微鏡(SEM)による形態観察、X線回折(XRD)による相同定、ゼータ電位の測定、示差熱熱重量測定(TG-DTA)、拡散反射スペクトルおよび薄膜吸収スペクトルの測定を行った。 【結果と考察】 実験では様々な形のCeO2が得られ、特にトリエタノールアミン 0.5 M、Ce(NO3)3 0.008 Mの水溶液を調整し、agingを行わず90 ℃で2 h加温し、大気雰囲気下で冷却することにより150 nm程度の棒状前駆体(Fig. 1(a))を得た。また、尿素 0.5 M、Ce(NO3)3 0.008 Mの水溶液を50℃で24 hのagingを行い90 ℃で2 h加温し、大気雰囲気下で冷却することにより300 nm程度の球状前駆体(Fig. 1(b))を得た。これらの前駆体は、400℃で2 h焼成すると形状を保持したままCeO2に転化した。さらに、得られたCeO2の形態やサイズによる特性変化について検討を行った。

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©  日本セラミックス協会 2008
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