主催: 公益社団法人日本セラミックス協会
CoO6八面体が面共有で配列したCo-O1次元鎖を有するBa3Co2O6(CO3)0.7の棒状結晶を育成し、その熱電特性に関する評価を行った。Co-O鎖方向の導電率は温度の上昇に伴い減少する金属的な挙動を示した(670−320 S cm-1、300−1100 K)。また、ゼーベック係数は300−1100 Kの温度域で正の値を示し、温度の上昇に伴いわずかに増加する傾向を示した(120−128 μV K-1)。出力因子は温度の上昇に伴い減少する傾向を示し(Fig. 2)、300 Kにおける値は9×10-3 W m-1 K-2であった。これは過去に報告されたCo-O鎖を有する化合物の出力因子と比べて最も大きな値である。