主催: 公益社団法人日本セラミックス協会
炭素材料を腐食させる酸として熱濃硝酸が知られている。この酸はSp2炭素と反応してメリト酸を形成するため、Sp2ならびにSp3炭素で構成されている水素化アモルファス炭素膜も同様に熱濃硝酸で酸化され溶解すると考えられる。本研究では取り掛かりの実験として、熱濃硝酸の温度を変化して、典型的なアモルファス水素化炭素膜のエッチング試験を行なった。エッチング試験前後の薄膜表面を光学顕微鏡法ならびに電界放射型走査電子顕微鏡法により観察した。60℃の熱濃硝酸では腐食は見られなかったが、80℃の比較的高い温度の熱濃硝酸により腐食の影響を受けることがわかった。