主催: 公益社団法人日本セラミックス協会
100℃以上の中温域では、水を介するプロトン伝導を利用することは容易ではない。イミダゾールは、鎖状構造を形成し、イミダゾール環間の水素原子欠陥を介して高速プロトン伝導する。しかし120℃付近から蒸発が始まること、融点が90℃であるため100℃以上では溶液状であり取り扱いが困難であることなどから、中温域で使用することは難しい。そこで無機成分とのハイブリッド化により熱的安定性の改善を検討した。イミダゾールはリン酸との反応性が高く、またZnOとの反応性があるとの報告がある。この2つの反応性を利用すれば、相互作用により粘稠性の向上が期待できる。以上のことからハイブリッド体を検討し、中温域で安定な粘稠性新規電解質の合成を試みた。