主催: 公益社団法人日本セラミックス協会
ナノ秒オーダーのパルス電場によって薄膜内で誘起される格子歪を検出する時分割X線測定と誘電率の高速測定を組み合わせた新しいシンクロトロン回折法を開発した。エピタキシャル成長させた強誘電体単結晶薄膜(Pb(ZrxTi1-x)O3(PZT)、BiFeO3(BFO))やBFO多結晶薄膜の構造評価にその方法を適用した。すなわち、パルス状の入射単色X線と試料への印加電場をタイミング制御し、生じるブラッグ反射近傍の回折強度を角度、時間の関数として記録した。その結果、ナノ秒オーダーの電場印加によって誘起される格子歪(約0.01%レベルまで)を検出できた。さらに、回折ピークシフトから圧電定数d33を見積った。