生産管理
Online ISSN : 2186-6120
Print ISSN : 1341-528X
日本企業の経営のグローバル化と課題
優位性の認識と改革の方向性
伊藤 賢次
著者情報
ジャーナル フリー

2002 年 8 巻 2 号 p. 1-8

詳細
抄録

日本企業は, 1970年代に入ってからの急激な為替レートの変更 (具体的には長期的な「ドル安・円高」傾向で, 代表的な出来事が1971年8月の「ニクソン・ショック」と1985年9月の「プラザ合意」の2つである) による世界的なコスト構造の変化への “適応” として, 経営のグローバル化への転換が迫られている。それは, OUTの面におけるFDI (海外直接投資: 代表例が現地生産) とINの面における国際調達 (輸入) の2本柱が中心に, 国境を越えて “世界最適” を目指す「グローバル経営」への切り替えである。1990年代の日本経済は「失われた10年」と呼ばれる “停滞” 状況に陥っており, 国内の空洞化も懸念されている。こうした現在の課題を解決する基本的な方策は, “世界の奇跡” をもたらした「日本的経営」の優位性を再度しっかりと認識して自信をもつとともに確固たる確信のもとに「グローバル経営」への転換を図ることである。

著者関連情報
© 日本生産管理学会
次の記事
feedback
Top