生産管理
Online ISSN : 2186-6120
Print ISSN : 1341-528X
日本企業のCSR行動に関する一考察
CAPS調査研究に基づく分析
森田 道也上原 修
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2006 年 13 巻 1 号 p. 81-86

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抄録

本研究では, 近年注目を集めている企業の社会的責任に関して, 昨年おこなった調査に基づき, 日本企業の社会的責任行動の特性を分析する.企業の社会的責任論は30年前に一度隆盛を極めたが, 責任範囲に関する議論は結局, 不明瞭のまま今日に至っている.だが, 例えば公害対策や消費者保護などの法的規制は進み, 30年前に比べて企業が履行すべき責任範囲は着実に拡大してきた.責任範囲の問題は潜在的に継続しているが, 今回の企業の社会的責任問題は, 社会的責任をいかに実践するかという問題になってきている.企業の収益性を抑圧する社会的制約としての社会的責任への対応の課題は残りつつも, 本来の企業の存在理由を考慮した場合に, それをビジネス機会にする姿勢の意義を探ることも経営的に重要である.本研究はその視点から, 実際の社会的責任の行動に関する調査を踏まえ, 企業の社会的責任の問題を考察する.

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© 日本生産管理学会
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