生産管理
Online ISSN : 2186-6120
Print ISSN : 1341-528X
SAMによる消費者のエモーション測定とマーケティングへの活用
グローバル市場志向における消費者行動理解のための新手法
久慈 勝男天坂 格郎
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2005 年 11 巻 2 号 p. 177-182

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抄録

本論文は3っのテーマから成り立っている。まず第1は、消費者行動研究におけるエモーション研究の位置付けを明らかにし、さらにエモーション研究においてSAMを用いた “エモーション反応” の測定の有効性を検証することである。第2は、SAMを用いた “エモーション反応” の測定が、マーケティング分野において有効性を持つのかどうかについて検討することである。第3は、これらの結果を受けて、エモーション反応がマーケティングにおけるどのような分野において活用可能なのかについて考察することである。
研究の結果概要は以下の通りである。
(1) SAMを用いたエモーション測定は言語や文化の壁を越えて有効性を持つ。(2) 広告などのマーケティング刺激では、エモーション反応の強度は消費経験に比べるとやや低いものの、マーケティング戦略についての診断的情報につながるデータが得られる。(3) 消費経験については、より明確なエモーショナル反応が得られる。(4) エモーション測定は、マーケティングのほとんどの領域で活用していくことが可能である

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