2021 年 28 巻 2 号 p. 57-62
中小企業における事業継続計画(BCP)は,一企業のリスクマネージメントを行う上で必要であるとともに,地域社会の基盤である中小企業が,社会全体の強じん化を推進するには必要不可欠なものである.しかし,各種公的機関の調査報告によると企業規模が小さくなるほど策定率が低いのが現状であり,BCP の取り組みに至らない要因については,調査結果から明らかになっているものの,BCP の取り組みに至らないことによるリスクの全容が明確化されておらず,その根本的な解決法がないのが現状である.本論文では,中小企業における経営課題の観点からBCP の取り組みに至らないことによる課題と対策について考察を行う.