現代では多くの企業が,負債を負担することで,資金調達を行っている.その際,一般的に,米国企業は債券市場を経由し,直接金融によって負債を負うのに対し,日本企業は銀行からの借入金を主体とした間接金融によって負債を負ってきたといわれている.しかし,1996年の金融ビックバン以降,政府は間接金融に依存した資金調達から企業を脱却させ,直接金融による資金調達,社債発行に基づく負債を増加させようとしてきた.その手段の一つが市場型間接金融である.この方策によって,日本企業の金融機関からの借入金に依存する体質は変化したのだろうか.本稿では,それを検証し,日本企業の負債構成の現状を明らかにする.