日本植物生理学会年会およびシンポジウム 講演要旨集
第51回日本植物生理学会年会要旨集
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植物固有型RAB5,ARA6のPlant-unique RAB5 Effector 2を介した機能発現機構の解析
*伊藤 瑛海白井 貴之上田 貴志中野 明彦
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p. 0124

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抄録

RAB5は,活性型時に,エフェクターと呼ばれる分子群と相互作用することにより,細胞内輸送において多様な現象を制御していると考えられている.RAB5は真核生物に広く保存されているが,陸上植物には保存型RAB5に加え,ユニークな一次構造を有するRAB5ホモログをもつ.シロイヌナズナには,保存型RAB5であるARA7・RHA1と,植物固有型RAB5であるARA6が存在し,私たちの研究室では,保存型RAB5とARA6が,異なる輸送経路を制御することにより,花成や細胞分化,根の形態形成などの現象を制御することを明らかにしてきた.このようなRAB5の機能は,さまざまなエフェクターとの相互作用を介して発現していると考えられるが,植物には,これまで報告されている動物のRAB5エフェクターのホモログは見いだされず,その仕組みは全く明らかになっていない.そこで私は,植物固有型RAB5であるARA6がどのような機能を持つか,また,どのようにして保存型RAB5とは異なる膜輸送経路を制御するのかを明らかにすることを目的とし,ARA6エフェクターの同定と機能解析を試みた.本大会では,得られたエフェクター候補のうち,PUF2 (Plant-unique RAB5 Effector 2)について報告する.

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© 2010 日本植物生理学会
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