日本植物生理学会年会およびシンポジウム 講演要旨集
第50回日本植物生理学会年会講演要旨集
会議情報

Qb-SNARE ZIG/VTI11欠損変異を抑圧するzig suppressor4の遺伝学的解析
*竹本 仁子橋口 泰子新濱 充田坂 昌生森田(寺尾) 美代
著者情報
会議録・要旨集 フリー

p. 0331

詳細
抄録

シロイヌナズナ花茎重力屈性変異体として単離されたzig-1変異体は重力屈性及び形態に異常を示す。我々は高等植物において重力感受等の高次機能に関わる小胞輸送の分子基盤を明らかにする事を目的として、zig-1の表現型を抑圧するzig suppressor(zip)の単離解析を行っている。zip4zig-1の示す花茎の重力屈性及び、形態異常を部分的に抑圧する劣性変異体である。マッピングの結果、Adaptor protein complex-3 (AP-3)のμ3サブユニットホモログ遺伝子のスプライシングサイトに点突然変異が見つかった。4つのサブユニットからなるAP複合体は、輸送小胞のコートタンパクとして機能する事が酵母や動物細胞で知られており、中サブユニットであるμタンパク質は、N末にβ結合ドメイン、C末にカーゴ認識ドメインをもち、複合体の中でカーゴの選別に関わるとされている。相補性試験の結果、AP-3のμ3がzip4の原因遺伝子と同定された。また、T-DNA挿入変異体でもzip4と同様にzig-1表現型の抑圧効果が見られた。以上の結果から、AP-3のμ3の機能欠損変異がzig-1を抑圧したと考えられる。現在、AP-3の他の構成サブユニットやAP-1~4のμサブユニットについてzig-1との遺伝学的関係を解析中である。

著者関連情報
© 2009 日本植物生理学会
前の記事 次の記事
feedback
Top