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zinc fingerドメインをコードするある遺伝子群は様々な種で特定の系統的クラスターを形成する。タバコにおいては、これらに関して、細胞骨格系に関与している、あるいは転写因子として細胞壁関連の代謝に関与しているなどの報告があるが、未解明な部分が多い。そこで、未だ報告のないシロイヌナズナにおいて、これらの遺伝子の一つに関して、代謝産物の側面から解析を行った。
RNAiラインをシロイヌナズナ培養細胞T87を材料としてデキサメタゾン(DEX)誘導型ベクターにより作製したところ、DEX誘導により生育が抑制されるという表現型を示した。DEX誘導後、経時的にサンプリングしてガスクロマトグラフィー質量分析器により代謝産物を分析し、代謝産物変動のネットワーク解析を行ったところmyo-inositol含量の顕著な減少が見られた。更に、フーリエ変換赤外分光光度計においても、特に糖成分の顕著なピークが現れる領域において経時的な変化が認められ、細胞壁成分が影響を受けている可能性が示唆された。また、T87における過剰発現体の解析では、myo-inositol含量の増加が認められ、myo-inositolを添加していない培地でも、添加した時と変わらない生育量を示した。これらの結果から、この遺伝子がmyo-inositolを含む糖代謝に関与している可能性が示唆された。