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ジベレリン(GA)のイネにおけるシグナル伝達は、GA受容体であるGID1 とGA反応の抑制因子であるDELLAタンパク質(イネにおいてはSLR1)がGA依存的に結合することにより、SLR1の分解がF-box タンパク質GID2を介して起こり、GA反応が誘導されることが知られている。今回、SLR1の分解に至る分子機構をより詳細に理解するため3因子間の相互作用について解析した。
SLR1とGID2の相互作用はGA, GID1に依存し、さらに両者の相互作用に必要なそれぞれの領域をアラニンスキャニング法により酵母内で解析したところ、SLR1のC末側に存在するGRASドメインおよびGID2のGGF/LSLドメインが必須であることが明らかとなった。同様にしてSLR1とGID1の結合に必要なSLR1側の領域を解析したところ、GID1とGA依存的に結合することが知られているSLR1のDELLA/TVHYNPドメイン以外にもSLR1はGRAS ドメインを介してGID1と相互作用することが示された。我々の結果は、GA存在下でDELLA/TVHYNPドメインがGID1と結合するとGRASドメインがGID1と結合可能となり、この結合がGID2のGGF/LSLを介したSLR1の認識に不可欠であることを示唆している。本研究の一部は、文科省「ターゲットタンパク研究プログラム」の支援をうけて実施された。