日本植物生理学会年会およびシンポジウム 講演要旨集
第49回日本植物生理学会年会講演要旨集
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プログラム細胞死抑制因子AtDAD1, AtBI-1の発現解析
新井 あゆみ小林 祐美上埜 翔子大木 里美政所 文子塩島 篤史横井 聖鈴木 寛*林 潤
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p. 0282

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抄録

シロイヌナズナなどの高等植物にもホモログ(AtDAD1)が存在するDAD1 (Defender against Apoptotic cell Death 1)は小胞体膜に局在しBHK21-derived tsBN7 細胞より単離され、温度感受性動物培養細胞や酵母においてプログラム細胞死(PCD)を抑制する因子として機能していることが報告されている。また、DAD1はアミノ酸配列においては酵母のN結合型オリゴ糖転移酵素 (Oligosaccharyltransferase :OST)複合体のサブユニットOST2pと高い同一性を示している。一方、BI-1(Bax Inhibitor-1)は小胞体ストレス誘導によるPCDを抑制する小胞体膜タンパク質であり、高等植物においてもAtBI-1は植物細胞においてヒトBaxによる細胞死を抑制することが報告されている。
今回、AtDAD1及びAtBI-1の植物個体での発現部位をウェスタンブロット及びプロモーター GUS形質転換体の組織染色によりその発現部位を解析した。その結果、AtDAD-1及びAtBI-1が花茎において花弁の離層、莢において開裂部分、根においては根端及び維管束系で発現していることが判明した。これらの結果より、高等植物においてプログラム細胞死の生じる形態形成においてはこれらの小胞体膜タンパク質が重要な役割を果たしていることが示唆された。

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© 2008 日本植物生理学会
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