日本植物生理学会年会およびシンポジウム 講演要旨集
第49回日本植物生理学会年会講演要旨集
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アラビノガラクタン-プロテインの糖鎖合成に関わるβ-ガラクトース転移酵素
飯塚 文絵石澤 敏洋小竹 敬久*円谷 陽一
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p. 0274

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抄録

アラビノガラクタンプロテイン(AGP)は高等植物の細胞間マトリックスや細胞膜に存在し、器官の分化・成長に伴いその糖鎖構造が変化する。AGPの糖鎖の基本骨格はβ-3,6-ガラクタンで、側鎖を構成するβ-1,6-結合したGal残基にα-L-Arafやウロン酸等が結合した分岐構造を有している。本研究ではAGPの糖鎖合成に関わるβ-ガラクトース転移酵素(GalT)の諸性質について調べた。
ダイズの黄化胚軸のミクロソーム画分を酵素源、UDP-Galを供与体、各種オリゴ糖を受容体に用いて酵素反応を行った。反応産物をp-aminobenzoic acid ethyl ester (ABEE)で蛍光標識してHPLC分析を行い、酵素活性を求めた。
各種ガラクトオリゴ糖を受容体にしてGalT活性を調べた結果、β-1,3-Gal3、β-1,6-Gal3、L-Araf α-1,3-Galβ-1,6-Gal、Galβ-1,6-Galβ-1,3-Gal、等が高い活性を示した。β-1,3-Gal3の場合、比活性は約400 pmol/min/mg proteinで、中央のGal残基にGalがβ-1,6-結合で転移してGalβ-1,3(Galβ-1,6)-Galβ-1,3-Galが生じた。β-1,6-Gal3からはβ-1,6-Gal4が生じた。

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© 2008 日本植物生理学会
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