日本植物生理学会年会およびシンポジウム 講演要旨集
第49回日本植物生理学会年会講演要旨集
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花序形態形成におけるCORMBOSA1/BIGLEAFY遺伝子の機能
*山口 暢俊鈴木 光宏米田 好文
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p. 0241

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抄録

植物では小花柄と節間の伸長によって多様に分化した花序が形作られている。我々は散房花序様変異体corymbosa1 (crm1)/bigに注目し、CRM1/BIG遺伝子はオーキシンを介して小花柄と節間の細胞伸長を制御していることを明らかにした。花序形態形成機構をより明らかにするため、crm1変異体のサプレッサーやエンハンサーを探索した。サプッレサー変異体の一つにleafy (lfy)変異体があり、crm1変異体の花茎伸長停止が早くなる表現型を抑圧することがわかった。経時的な発現解析の結果、crm1-1変異体でのLFY遺伝子の発現量は発生段階の後期に野生型よりも多くなることがわかった。発生段階後期に35S::LFY-GRの小花柄をDEXで処理した場合、小花柄は下向きに伸長した。この結果から、LFY遺伝子は茎の伸長過程では小花柄の伸長方向を制御することで、crm1変異体の散房花序様の表現型を引き起こす原因になったと考えられる。そのため現在、LFY遺伝子とCRM1/BIG遺伝子の関係を調べている。

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© 2008 日本植物生理学会
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