日本植物生理学会年会およびシンポジウム 講演要旨集
第49回日本植物生理学会年会講演要旨集
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メチオニン由来グルコシノレート生合成を制御する転写因子の同定と機能解析 II
*荒木 良一澤田 有司鈴木 あかね小川 俊也斉藤 和季平井 優美
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p. 0124

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抄録

メチオニン由来グルコシノレート(MET-GSL)生合成にかかわる2つの転写因子PMG1, PMG2のダブルノックアウト体(pmg1pmg2)ではMET-GSLが検出されないことが明らかとなった(本大会 澤田ら発表 )。マイクロアレイ解析によると新規候補転写因子PMG3の発現がpmg1pmg2の葉で顕著に低下していた。本研究ではPMG3の機能解明に向けて、液体振とう培養したシロイヌナズナ実生におけるPMG1PMG2およびPMG3の発現量を定量的PCRにより詳細に解析した。MET-GSLが減少しているpmg1株におけるPMG2, PMG3の発現量はそれぞれ野生型の30%, 10%であった。またMET-GLSが全く検出されないpmg1pmg2株におけるPMG3の発現量は野生型の5%であった。一方、MET-GSLの減少が見られなかったpmg2株におけるPMG1, PMG3の発現量はそれぞれ野生型の100%, 40%であった。以上の結果より、PMG1が主たる制御因子であること、およびPMG3PMG1, PMG2の制御下にあり、MET-GSL生合成制御に関わっていることが示唆された。現在、PMG3のノックアウト株も用いて、様々な条件下での発現解析を行っている。

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© 2008 日本植物生理学会
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