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酵母のOld Yellow Enzyme (OYE)は1932年に最初のフラビンタンパク質(1分子のFMNを非共有結合)として発見されたが、その生理機能については現在までほとんど未解明のままである。しかし最近、植物のジャスモン酸生合成経路の還元過程でOYE 類似タンパク質"12-oxophytodienoate 10,11-reductase; OPR"が触媒していることが明らかになっている。また、OYE類似タンパク質は真正細菌や原生生物などにも広く分布しており、その一部についてはα-β不飽和カルボニル化合物を還元する酵素活性をもつことが判明しつつある。我々は、褐藻カヤモノリScytosiphon lomentariaの遊泳細胞が示す走光性反応の光受容体タンパク質の探索を行う過程で、遊泳細胞の鞭毛分画から41 kDaのフラビンタンパク質を生化学的に分離同定した。さらに、cDNAをクローニングしてその塩基配列から一次構造を推定した結果、カヤモノリの41-kDaフラビンタンパク質はOYEファミリーに属することが判明した。類似タンパク質との比較から、同タンパク質の構造や生理機能について議論する。