1938 年 1938 巻 10 号 p. 29-32
足尾山地に紡錘蟲の産することは古くから知られてゐた, 即1890年に原田博士は其著Japanischen Inselnに寺尾村鍋山より紡錘蟲特にFusulina japonica GÜMBEL其他海百合・珊瑚・ベレロフォン等の産することを記され, 1895年には清水理學士が田沼町の近方の戸奈良・戸室・山越・ヲガノ (葛生の北) 等に於いて石灰岩に紡錘蟲の産することを報ぜられ, 又1899年には矢部教授が戸室より産する紡錘蟲について述べ, 之に次の4の型のあることを論じてゐる。