日本鉱物科学会年会講演要旨集
日本鉱物科学会 2018年年会
セッションID: R5-10
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R5:地球外物質
普通コンドライト薄片のバルクX線ランダム回折パターン:熱変成と衝撃変成作用
*今栄 直也木村 眞山口 亮小島 秀康
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抄録

H, LおよびLLの化学グループに区分される普通コンドライトは様々な熱変成と衝撃変成作用を受けた代表的な隕石種である。本研究では、X線回折装置を用い、定量的分類法を検討した。研磨片の水平面回転により普通コンドライトのランダムX線回折パターンを取得した。かんらん石(Ol)、単斜輝石(Cpx)、直方輝石(Opx)、Ca輝石(Ca-px)に着目した。その結果、4タイプに大きく分けられ、弱衝撃非平衡型はOl 130は2重ピークを持ち、Opx 511は出現しない。弱衝撃平衡型はOl 130に鋭いピークを持ち、Hグループと整合する。OpxとCa-pxは強く、Opx 511が出現する。強衝撃平衡型はOl 130の半値幅が増大し、Opx 511強度が減少する。衝撃溶融型はOl 130の強度が大きい。輝石強度は低い。L6のOl 130の半値幅は衝撃変成度と正の相関がある。H4のOpxには平衡に至る過程が見える。Cpxは岩石学的タイプ3から4に減少するが、S6の試料で上昇する。OpxはCpxと逆相関である。これはOpxが衝撃変成によりCpxに転移した。

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