日本鉱物科学会年会講演要旨集
日本鉱物科学会 2013年年会
セッションID: S2-03
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S2:岩石―水相互作用
ラマン・赤外分光計測による鉱物界面での水の構造化の評価
*石川 慧土屋 範芳平野 伸夫
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抄録

地殻中では含水鉱物や流体包有物中の水,間隙中の水など,様々な形で水が存在しており,プレートの沈み込み帯も,海洋由来の水やマントル由来の水などが存在する環境である.沈み込み帯における地震発生帯の温度は150~350℃程度であり,水は亜臨界-超臨界で存在する熱水である.この領域の水は鉱物粒間に非常に薄い薄膜状の形で存在しており,この薄膜水はバルクの水(自由水)とは違った性質を持つことが知られている.
本研究では,高温高圧の薄膜水が観察可能なダイヤモンドセルを用いて,様々な温度圧力条件における自由水,金属および人工石英表面の薄膜水の水分子振動スペクトルの測定を行った.
ラマンスペクトルおよび赤外吸収スペクトルの測定結果より,3400cm-1付近に現れる水のOH伸縮振動が,温度圧力によって変化することが観察された.また,人工石英表面のシラノール基の水素結合の影響による水の構造化も観察された.

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© 2013 日本鉱物科学会
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