北部オマーンオフィオライトWadi Farfarの巨晶質である非調和性ダナイトのかんらん石包有物をラマン分光学的分析した。そして2種類の包有物を見出した。Aタイプ包有物は、径1~10μm程で列状を成しており、リザダイト・メタン・水素・ブルーサイト・磁鉄鉱より構成される。Bタイプ包有物は、径1μm未満で黒色を呈しており、不規則な形状のラメラ包有物として見られる。Aタイプ包有物はかんらん石中にトラップされた流体と壁かんらん石との反応により形成されたもので、この包有物からは閉じた系での局所的な蛇紋石化をみることができる。BタイプはFe2SiO4+1/3O2→FeSiO3+1/3Fe3O4といった、 かんらん石の酸化によって形成されたものであろう。