アンチモンは、近年環境中への汚染が問題視されている有害元素である。アンチモンは土壌や堆積物中では水酸化鉄鉱物へ取り込まれて存在していることが報告されているが、その取り込みメカニズムはよくわかっていない。 そこで本研究では、広域X線吸収微細構造(EXAFS)法を用いて直接的に局所構造を決定し、アンチモンの水酸化鉄鉱物への取り込みメカニズムを考察した。特に天然環境における水酸化鉄鉱物への微量元素の取り込み様式には、吸着と共沈の2種が考えられるため、アンチモンを代表的な水酸化鉄鉱物(ferrihydrite, goethite)へ吸着および共沈させた試料を比較した。