日本鉱物科学会年会講演要旨集
日本鉱物科学会2008年年会
セッションID: R1-03
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R1:マグマプロセス・サブダクションファクトリー
甲府盆地北縁に分布する火山岩類の地球化学的時間変化に対するフィリピン海プレートの役割
*柴田 知之芳川 雅子輿水 達司
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抄録

甲府盆地北縁に分布する火山岩類の、主要元素・微量元素・同位体組成を分析し、地球化学的時間変化を検討した。その結果、これら火山岩類は典型的な島弧マグマの特徴をしめし、Zr/Nb比がほぼZr/Nb = 25 – 35でMORBと類似することから、当地域直下のマントルウェッジはMORB型のである。さらに、Sr/Y比などから、後期中新世から鮮新世には太平洋プレートのslab dehydrationによる火成活動が、第四紀になるとフィリピン海プレートのslab meltingによる火成活動に移行したと考えられる。また、Sr・Nd・Pb同位体組成から、前者のたマグマは、フィリピン海プレート由来物質の汚染を受けている。これらのことから、フィリピン海クレートは、新第三紀に当地域下近傍にまで達していて、その後さらに沈み込み、第四紀には当地域直下にまで到達した。

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© 2008 日本鉱物科学会
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