3つのレールゾリティック・シャーゴッタイト(Y000027, Y000047, およびY000097)は、採集地点・採集時期・岩相の類似から対の隕石と考えられる。主な岩相はポイキリティックおよび非ポイキリティック組織である。ポイキリティック組織は、かんらん石が輝石に取り囲まれて産する。ポイキリティック組織の主要構成鉱物は、3種の輝石、かんらん石およびクロム鉄鉱で、非ポイキリティック組織は、主に、2種の輝石、かんらん石、クロム鉄鉱およびマスケリナイトである。両岩相の境界部では、ポイキリティックのピジョン輝石上に、非ポイキリティックのピジョン輝石が成長し、これは斜長石と同時期に析出したと考えられる。マスケリナイトには内部の異結晶を核として斜長石析出時に形成した砂時計構造が観察される。Y000047の衝撃溶融脈には、斜方輝石起源の秋本石および輝石ガラスが産する。フランボイド状の輝石ガラスはその形状から輝石のペロブスカイト型高圧相であったと考えられる。