2010 年 23 巻 2 号 p. 129-132
移植腎IgA腎症例に扁摘・パルス療法を施行した5例を経験した. 4例の腎不全の原因疾患は不明だが, 再発IgA腎症であると推測した. 再発性IgA腎症の予後は原発IgA腎症と比較し良好なものが多いとされるが, 短期間で機能不全に陥った例の存在や, 長期経過での報告がないことから, 予後はさらに悪い可能性がある. 腎移植後には拒絶反応を防ぐためにステロイド使用を続けるが, それでも発症, 進行を止めることは難しいことを示している. 腎生検結果, 腎生検年齢を考えると, 今後腎機能不全に陥る可能性が高いと判断し早期に手術に踏み切った. 治療後3ヶ月以内の顕微鏡的血尿陰性化や再発を認めないことより本療法は有効と考えた.