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認知症高齢者施設の内装色について現地調査を行い、日本とスウェーデンの施設を比較検討したものである。本調査における内装色とは、多数の入居者が利用する廊下やロビー、食堂等の床と壁の色である。日本でのデータと、既に現地調査済みであるスウェーデンでのデータを比較できるよう、調査シートを作成した。日本での調査は範囲を東京都内に限定して実施した。入居者のプライバシー保護のため、施設管理者から調査を拒否されるケースが多くあったが、調査内容を学会発表においてのみ公開することや、測定の目的等の説明をし了承を得た。以上の調査から、現在の日本の認知症高齢者施設に用いられている色彩の傾向より、内装色に適する色の組み合わせを考慮して色彩提案を行う。