1993 年 39 巻 2 号 p. 191-199
フェオフォルバイドaとNd: YAGレーザーを使った光化学作用の膀胱癌に対する効果を検討することを目的として実験を行った. マウス膀胱癌を対象として実験を行い, in vivoで腫瘍内に壊死巣の形成を確認し, in vitroでは腫瘍細胞浮遊液中のフェオフォルバイドaの濃度, フェオフォルバイドaの取り込み時間, 光照射エネルギーが増えるほど腫瘍生細胞が減少することを観察できた. また, フェオフォルバイドaには明らかな細胞毒性を見出すことはできなかった. このことからフェオフォルバイドaとNd: YAGレーザーの併用はマウス膀胱癌に対して殺細胞効果があり, これは主に光化学作用によるものであると考えられた.