我が国は, やがて本格的高齢化社会, むしろ超高齢化というべき社会に突入する. 外国に比べ老齢化人口比は高く, ピーク時には中位推計でも全人口の21.8%, 約2,795万入に達する. 老人はその心身の特性から“病気がち”であり, やがて多くの病んだ老人をかかえることが想像される. したがって人々が健やかな老後を迎えるためには, 従来の保健医療のあり方が根本的に問われ, かつ見直されなければならない. また, 高齢化社会において, 限られた資源をいかに公平に再配分するか大きな問題も残されている. かかるとき老人の健康の確保, 医療の確保をいかにすべきか, そのための準備を少しでも早く行わなければならない. この準備の1つとして老人保健法が創設された. 老人保健法を中心に高齢化社会を展望しつつ, これからの保健医療についてのべる.