2018 年 41 巻 1 号 p. 2-7
目的:一定期間以上訪問診療を継続した患者と各種居宅サービスの併用との関係を明らかにする.
方法:新たに訪問診療を開始した65歳以上の要介護の患者を対象として,介護給付費実態調査を用いた後方視的研究を行った.訪問診療の導入後3か月以上継続と併用居宅サービスとの関係を年齢,性別,要介護度を調整したロジスティック回帰分析で検証した.
結果:対象は26,590人だった.訪問診療を3か月以上継続した患者は,通所介護(OR,2.10;95% CI,1.98-2.23)や訪問介護(1.91;1.81-2.01),通所リハ(1.88;1.69-2.10),訪問リハ(1.49;1.31-1.69),訪問看護(1.23;1.16-1.31)を併用している傾向があった.
結論:訪問診療を3か月以上継続した患者は多職種による居宅サービスを併用している傾向が認められた.これは多職種連携推進の根拠となり得る.