2023 年 77 巻 1 号 p. 26-34
本研究では、組成の異なるカルシウムアルミノフェライトの水和反応に及ぼすアルカノールアミンの影響について、水酸化カルシウムや炭酸カルシウムなどが共存する各種条件下で検討した。その結果、アルカノールアミンはカルシウムアルミノフェライトの水和反応を促進し、特にFe2O3比率の高いフェライトで反応促進効果が顕著であった。また、アルカノールアミンの中でもFeとAlの溶出度の高める効果が顕著であったトリエタノールアミンは特にカルシウムアルミノフェライトの反応速度を速めることが確認された。水酸化カルシウムや炭酸カルシウムが共存する系においても、アルカノールアミンの反応促進は同様に確認された。