クリンカ細骨材をモルタルに用い、モルタルの緻密化と、微細ひび割れを導入した後の自己治癒性能を検討した。収縮-逸散水量関係を用いた分析により、クリンカ細骨材の界面領域が緻密になることを推察し、反射電子像による分析で検証した。クリンカ細骨材モルタルは、普通細骨材モルタルより逸散水量が大幅に低減し、収縮量は同程度以下であった。短繊維を混入したモルタルに圧縮載荷で導入した微細ひび割れの幅は0.02~0.1mm程度であり、クリンカ細骨材を用いた場合に治癒効果が卓越した。微細ひび割れの治癒を収縮-逸散水量関係、EPMA、吸水抵抗性の観点から確認した。