セメント・コンクリート論文集
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セメント化学
HMの新しい定量方法を用いたC3S、C2Sの水和解析
粟村 友貴黒澤 利仁名和 豊春湊 大輔
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2012 年 66 巻 1 号 p. 47-54

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抄録

本研究では初めに、既報により提案したhydrated monomer(HM)定量に関する新手法1)の定量性を検証した。1H-29Si CP MAS-NMRを用いて算出したHM量と新手法により算出したHM量は、C3Sの材齢7日、28日試料においてよい一致を示した。次に新手法を用いてC3SおよびC2S、C3S+C2S混合物の水和反応におけるHM、C-S-Hを定量した。その結果、水和初期において鉱物は溶解してただちにC-S-Hを生成せずにHMとして存在することが確認された。また、シリケート鉱物の種類が異なると、鉱物の溶解率に対するC-S-Hの生成挙動も異なることが示唆された。さらにC2Sにおいて、C3S+C2S混合物の水和反応ではC2S単体の水和反応と異なるC-S-H生成過程が認められた。

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